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資本主義の奴隷

明日は明日のホラを吹く:「リスクをとる」を読んで、僕自身はbunさんの主張に心から賛同するとともに、しかし、日頃から目の前に現れた事象に対して反射的に感想を抱き、その感想を補助するためのもっともらしい文章を作り出す、あるいは探しあてて耽溺する人たちのことを思った。

以下は僕ではない、とある人が書いた文章をエミュレートしたものです。こういう遊びもたまにはよいかと思って。あと、僕自身パチンコをやらないので細かいところの正確性についてはご容赦を。



資本主義の奴隷


僕は学生の頃からパチンコが好きで、よくホールの開店前から並んで、夕方サークルに顔を出すまでの間に稼いだり稼がなかったりして楽しんでいた。トータルでは稼いだほうが多いかな。

まじめな人たちは「また授業にも出ないで」と僕を詰ったけれど、勉強はちゃんとしていたし、テストでも一応及第点はキープしていた。それに、僕はホールでその後の人生において学校の授業よりも大切なことを学んでいたように思う。

僕が通っていた大学はそんなに人口の多い都市ではなかったから、開店待ちの行列にいる人たちとはだんだんなんとなく顔見知りになっていった。アットホームな雰囲気の中、70過ぎの爺様とか、高卒の青年とか、出勤前に少しだけ打ってくサラリーマンとか、中年の主婦とか、いろんな種類の人たちが集まっていた。「寒いですね」とかから始まって二言三言言葉を交わしたりするうちにもっといろんな話をするようになって、開店前のホールはちょっとした社交場になっていた。

それに学校の外の人たちと話すのは、なんだか学校の中しか知らずテストの過去問とか先輩のノートの貸し借りばっかりしている同世代のクラスメートと話すよりよっぽど面白く自分の世界を広げることにも気がついた。

そうして仲良くなっていくと、昼過ぎても僕の横に箱が一つも置かれてないときとかに、
「おう、今日は調子わるいじゃねえか。俺はもう帰るからあっちの台使いなよ。たぶんまだ出るぜ」
なんて声をかけていってくれる人がいたり、ジャンジャン出してるお婆さんが
「おすそわけだよ」
とかいって両手で自分の球を掬って僕の台に入れてくれたりした。もちろん僕も他の顔見知りに情報を教えたりした。ほんとに持ちつ持たれつ。とはいっても、別にそれによって儲けが格段に増えたりするわけでもなく、お互い「仲間だよ」っていう挨拶みたいなものだった。


大学を卒業した今でも、さすがに学生の頃ほど頻繁ではないけれど、パチンコをよく楽しんでいる。僕にとってホールは単にパチンコをするだけの場所じゃなくなっているから。

ただ、時々ちょっとがっかりすることもある。昨日ホールで台を選んでいると派手に箱を積み上げてる中年の男性がいたので、知らない人だったけどいつものように軽い調子で
「すごい出てますねえ。今日は9時からずっとこの台ですか?」
って声をかけたら、その人は
「いえ」
と短く答えただけだった。ちょっとあれっと思ったけど
「へえ、出なかったのはどの辺の台でした?」
と聞いてみたら
「そんなことは教えられない」
なんて冷たい返事。

それを教えたところでその人はなんの損もしないし、むしろホールの常連と仲良くしてれば得することのほうが多いのに、なんでそこまでして人とのつながりを断とうとするのか僕には理解できない。いや、損得を抜きにしたって、普通の常識的な人間なら、にこやかに話しかけられたのにばっさり切り捨てるみたいな言い方はしないもんだと思う。きっとこの人はずっとそういう態度で誰とも仲良くならず過ごしてきたんだろう。身なりなんかは上等だったから多少金は持ってるんだろうけど、そんな人生って本当に豊かだと言えるんだろうか。

僕は資本主義に従順で、周りの全員を競争相手=敵だと見なす生き方よりも、みんなで助け合って人生を楽しんでいく生き方を選びたい。


ああ書いてて気分悪くなってきた。

一番重症なのは、bunさんの文章を読んで「そうだそうだ」と思い、この上の文章を読んでも「そうか、見方を変えればbunさんは可哀想な人だ」なんて思ってしまう人。

いや、ここまで悪意を持ってデフォルメしちゃったら共感できないか。できるだけ僕と気が合わない人が共感できるような文章を目指したんだけどムリだった。


この記事に対するコメント

みんなと仲はいいんですよ。ああ、あの人またいるなあとお互いに思うだけで、目を合わさないし話もしないがお互いのお互いに対するマナーは完璧、そういう集まりですはい。冷たいと人をなじる人はその様子を他の人にも見られてまして他でも同じように扱われているんですね。結局僕だけがわかっているわけでは全然なくてほとんどの人がまずお互いの迷惑にならないことを考えて、かつ負けるときには笑顔で負けているんですね(笑)。

視点を2元に分けて考えるとおかしなことになる他者性の不思議さを指摘しておられるんですね。

【2007/01/09 22:19】URL | bun #-[ 編集]

bun様

そういうクールな「仲の良さ」が、僕も好きです。馴れ合いとマナーは別の物なので、各々がちゃんと自分の足で立っているのがいいです。

新年からよくわからない芸を持ち出しましてすみません。
bunさんなら喧嘩売ってるわけではないと受け取っていただけると信じて(=甘えて)書いてしまいました。しばらく控えます。

僕自身、ここで書いたような「僕」みたいなロマンチックな人とは仲良くなれないだろうなあと、だいたい会って5分ぐらいで判ってしまうのですが、何より嫌いなのは、自分が根本的におかしな考え方をしている(ギャンブルするのに他人がリスクとった結果だけ利用して自分のリスクを最小化するとか)ことに薄々気づいていながら、そのおかしさから目を背けて「自分は正しい」ことを主に自分に納得させるために、妙に視野が狭くて無理筋な論理を作り出し、他人を貶す人たちです。

【2007/01/11 01:48】URL | とっくり #-[ 編集]

>もっともらしい文章を作り出す、あるいは探しあてて耽溺する人
とっくりさんご自身が、その自説をまさに実証されていると思いますが。

【2011/10/10 14:29】URL | 名無しさん@ニュース2ちゃん #-[ 編集]

ありがとうございます。ブーメランなのはわかっているんです。

【2011/10/11 11:39】URL | tockri #-[ 編集]

お返事どうも。そうですか。

bunさんの語る「あの人」を、とっくりさんが、文章に登場する「僕」のような陳腐な考え(「資本主義に従順~」という飛躍にん?と思って、笑ってしまいました。)をする人間だと断定しているならば、それは早まった考えに思えたものですから。

失礼しました。

ただ、「僕」のような人(いればですが)を擁護するのでも貶すのでもありませんが、bunさんの語る「あの人」はそんな「僕」のようなお花畑な人間ではなく、もっと自己中心的な考えを腹に隠し持っているのでは?と思いました。

しかし、それもご承知ということであればお許しを。

煩わしい人付き合いに対する勉強になります。

【2011/10/11 16:26】URL | 名無しさん@ニュース2ちゃん #-[ 編集]

この記事はずいぶん前に書いたものですが今読み返すと説明が足りなすぎて自分でもどういうつもりだったか解りづらいですね。

bunさんの記事にある「あの人」が自己中心的なヘタレなのは間違いないとして、その彼が、自分のブログにその日あったことをどう書くかという発想でした。もちろん自分がヘタレた考えでしたことを過剰な装飾で覆い隠してステキでハートフルな世界の住人であるように表現し、気に入らないことをした相手を人非人のように表現すると、こんな感じの文章をねつ造するんじゃないのかな、という芸です。が、まあ成功はしてないですね。すみません。

【2011/10/12 14:37】URL | tockri #-[ 編集]

いえ。こちらこそ以前の記事に対して、いきなり書き込んでしまったことをお許しください。

とっくりさんの意図は理解したつもりです。あくまでつもりですが。
その機知のある試みが、成功であったかどうかは個人的に判断し難いですが、とても有意義でした。
というのも私がこの記事を読ませていただいて、学んだというか、確信を新たにしたのは、自分の身に起きた不快な出来事を、自分の気分を損ねないために、または不快から脱却したいがために、都合良く解釈して語るのは、珍しいことではないということです。
(おそらくとっくりさんの意図とは外れるのでしょうが。)

少なくとも過去に自分がそれをやったこともありますし。

だから、そういう悪癖(と呼べばいいんですかね笑)が、自分か他人に出てしまった時の対処法を持つことが、人付き合いにおいて大切なのかなと・・・。

自分も何が言いたいのかちょっとわからなくなってきました(笑)

まとめられそうにないので、そろそろ失礼させていただきます。

ここを見つけたのは偶然だったのですが、他の記事も、何やら興味を惹かれる事を取り上げていらっしゃるので、また読ませていただきます。

【2011/10/12 22:59】URL | 名無しさん@ニュース2ちゃん #-[ 編集]

―すみません。付け加えさせてください。
とっくりさんの書かれたことに対する返答が抜けてました。
つまり、とっくりさんの言葉をお借りすれば、元々「僕」は「ステキでハートフルな世界の住人」ではなく、「僕」自身がそうであるように演出したということですね。やはりすでにご承知であったということ。そして、私の理解が悪かったということ。重ね重ね失礼しました。

【2011/10/12 23:16】URL | 名無しさん@ニュース2ちゃん #-[ 編集]

> 自分の身に起きた不快な出来事を、自分の気分を損ねないために、または不快から脱却したいがために、都合良く解釈して語るのは、珍しいことではないということです。

そうですね、みんなやってると思います。僕ももちろんやってます。昔心理学でちょっと習った防衛機制ってやつですね。あまりにも激しくやり過ぎちゃうと良心がとがめるのでできるだけちょっとだけにしようとは思っていますが。

人付き合いの中で過剰な防衛機制に出会った場合は、どうすればいいのかよくわかりません。少なくとも「ここがおかしい」などつっこんでいくのはお互いのためにならないだろうということだけは判明しています。

> 重ね重ね失礼しました。
いえ、ご丁寧にどうも。今後ともお手柔らかにお願いします。

【2011/10/13 10:49】URL | tockri #-[ 編集]

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